トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2023/02/20

 今回は相談事例を通じて、相続登記義務を履行しない場合の罰則や、できない場合の対応方法などについてご紹介します。

 法改正により、相続登記が義務化されることになりましたが、義務を履行しない場合やできない場合は、どうなるのでしょうか。

 正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料の対象となります(改正不動産登記法第164条第1項)。「正当な理由」とは登記官の判断となりますが、相続登記をするには困難な状況だと認められる必要あります。

 相続登記の義務化に関する法改正は、2021年(令和3年)4月28日に公布され、2024年(令和6年)4月1日より施行されます。
 原則として、相続や遺贈により不動産の所有権を取得した相続人は、その相続人が、「自己のために相続が開始したことを知り、かつ、所有権を取得したことを知った日」から3年以内に相続登記の申請をする義務が生じます(改正不動産登記法第76条の2第1項・第2項、第76条の3第4項)。

 法律施行日(2024年4月1日)より前に相続が開始している(「自己のために相続が開始したことを知り、かつ、所有権を取得したことを知った日」がある)場合も、施行以降は、相続登記の義務の対象となります。この場合、義務の履行期間は、2024年4月1日から3年間となります。

 相続登記の義務履行期間内に、遺産分割協議がまとまらず、具体的にどの相続人がどの不動産を取得すべきか決まらない場合は、相続登記の義務履行期間内に、法定相続分どおりに相続登記を申請し、遺産分割が成立してから3年以内に、遺産分割の内容どおりの相続登記に直す義務を履行するという方法が考えられます。

 その他、新たに創設される「相続人申告登記」を使うという方法もあります。この申告登記は、ひとまず自己が相続人である旨を申告しておく制度であり、相続登記の義務履行期間内にこの申告登記をすることで、義務を履行したことになります。この方法による場合も、遺産分割が成立してから、3年以内に遺産分割の内容どおりの相続登記をする義務があります。

 なお、遺贈により不動産を取得した者が相続人ではない場合には、相続登記義務の対象ではありません。



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